救いの母：私たちは最初にユダヤへ、次にわが聖子（こ）はインド、ペルシャ、エジプト

わが子よ、わが聖子の誕生に向けて、私たちの苦しみは顕著なものになってゆきました。エリザベトには、聖霊によって与えられた理解力に恵まれているということを知っていた私は、慰めをもとめて彼女のもとに身を寄せました。私と、私の最愛の浄配は、これから起こることを知って非常に苦しんでいた時、この平和な避難所を求めたのでした。

私の時が近づいたとき、邪悪なる霊によって謀（はか）られたすべての障害が、私が一歩を踏み出すごとに置かれました。私たちの面前でドアは音を立てて閉ざされました。顔見知りの人々は私たちを冷たくあしらい、私たちは人気のない場所に追い払われたのでした。そして最後には、聖なる救い主がこの世に一人の貧しき者として来られる間、 屋根のない、動物のための小屋にいることになったのです。そこには何の儀式も、戴冠も、感謝もありませんでした。数人の者たちだけが、寂しさのうちに在る私を慰めるためにいました。でも、わが聖子が生まれたその時には、あらゆる心配の念が霧散しました。私は、至聖なる神の存在に対する愛だけを感じました。最後には平和だけが私の心を占めたのです。

その人数はわずかではありましたが、聖霊の業によって、助力と慰めが私たちのもとに送られてきました。イエズス・キリストの御誕生は―数人の人間だけが関わった―質素でみすぼらしい出来事でしたが、言葉は広まっていました。そのように聖霊は働かれるのです。多くの者たちが、御誕生を待望していました。多くの者たちがその出来事について聞いていて、また多くの者たちがそれについて語りました。イエズス・キリスト、人類に約束されたメシア（救い主）が誕生したと知らされると、反対者たちが台頭してきました。ヘロデとその従者たちによる非道な攻撃は、神の存在が、いかに邪悪な者たちの心に恐れをもたらすかを示すものでした。
その日から、私はわが聖子の護り手となり、わが最愛の浄配ヨゼフは、そのことがあってからというもの、 多くの機会に，私たちの安全を確保するために尽力したのでした。私たちは何年もの間、一つの場所から他の場所へと逃げて暮らしました。私たちは多くの反対に遭いました、多くの恐怖、多くの憎しみに。それが私たちの運命でした。十二歳の時に神殿で語るわが聖子が発見されたとき、私たちはわが聖子を隠しました。

ヨゼフの家族が私たちをこっそりと送り出すことになり、私たちは何年ものあいだ旅をしたのです。 私たちは最初にユダヤへ、次にわが聖子はインド、ペルシャ、エジプト、ギリシャ、そしてイングランドへと連れてゆかれました。わが聖子が公に自らをメシアとしてお現しになることはなかったにもかかわらず、行く先々でわが聖子の存在は多くの奇跡をもたらしました。わが聖子は手塩にかけられ、私たちはわが聖子について多くを知りました。私たちは、平和と愛、そして調和の中（うち）に生き、でもわが浄配ヨゼフにとっては、わが聖子の公のミッションが始まるまで、わが聖子を護るための地はどこにもなかったのです。

そして、わが聖子の再臨が差し迫った今、わが聖子の来臨の前にあらゆる邪魔立てが入るのです。 わが聖子の預言者の口から吐かれるすべての言葉は、ずたずたに引き裂かれ、嘲笑を受けるでしょう。ほんの一握りの者たちだけが、このミッションを包む真理に内々に関わり、それらの、わが聖子の指示に従う者たちの面前で、多くのドアが音を立てて閉ざされるのです。このミッションはあなたにとって、わが子よ、孤独なミッションです。しかもあなたは、神によって知らされるすべての事において従順であるように言われるのです。
助けは送られるでしょう。そして同時に、わが聖子が望むとき、助けは止まるのです。ほとんどこのミッションに従う者たちがいないと思われても、多くの者たちが完全にこのミッションを信じているのです。神の言葉は、聖霊の力によって神の者たちを常に惹きつけるからです。

産みの苦しみは始まり、出産は長くはかからないでしょう。まもなく新たな始まりのその起源が明け染め、ついに、主の日が到来するのです。子供たちよ、平和でいなさい、地上が罪から清められる前に、これらの事のすべては起こらなければならないからです。

あなたたちの愛に満ちた母
救いの母